咀嚼とリラックス

よく噛むことで、心が穏やかになる
食事中の「咀嚼(そしゃく)」は、単に食べ物を「噛む」というシンプルな動作ですが、実は心身のリラックスにも深く関わっています。「噛むだけで心が穏やかになる」って、ちょっと不思議で面白いですよね。でも、ちゃんと理由があるんです。
ここで心身のリラックスにつながる「咀嚼」の4つのポイントをご紹介します。
1.幸せホルモンの分泌を促す
2.脳を活性化して気持ちを安定させる
3.自律神経を整える
4.実験で確かめられた効果
咀嚼習慣のコツ
・緊張する場面で、ガムや噛み応えのあるナッツなどを適度に噛むと、心が落ち着きやすくなります。
・ただし長時間の咀嚼は顎関節に負担をかけるので、適度な時間にしましょう。
1.幸せホルモンの分泌を促す
食べ物を噛む動作は一種の「リズム運動」です。ウォーキングやジョギングしたりするともと気分がスッとすることがありますよね。噛む動きも同じで、呼吸や心拍が安定して脳内にセロトニンの分泌を促します。
このセロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、気分の安定やリラックス・ストレス緩和といった重要な役割を果たします。セロトニンが分泌されると脳が安心感を感じるという仕組みだそうです。
研究では、ガムを噛むだけでも、約2時間ほどリラックス状態が持続するという報告もあるようです。
2.脳を活性化して気持ちを安定させる
食べ物を噛むことで、実際に脳への血流が増えて、集中力や感情制御を担う部位の「前頭葉」が活性化されるのです。これが穏やかな気持ちにもつながります。
逆に、ストレスを感じているときにガムを噛むなどの咀嚼をおこなうと、今度は脳の不快感を処理する部位の「偏桃体」の活動が低下し、ストレスが緩和することが実験で確認されています。
目に見えない脳の働きですが、こうした変化が「咀嚼」で起こって、リラックス効果が得られるのですね。
3.自律神経を整える
よく噛むことで、リラックスしているときに機能する副交感神経が優位になって、心拍数や血圧が安定しやすくなります。緊張がほぐれて自律神経が安定するのですね。
また、よく噛むと顔の筋肉をよく動かすことになり、この動きに連鎖して、全身がリラックスモードに切り替わるとも言われています。
4.実験で確かめられた効果
多くの実験報告で、咀嚼がストレス軽減に役立つことが確認されています。
例えば、<ストレス下でガムを噛む>➡<脳の偏桃体の活動が低下する>➡<「不快」を示す信号が脳に届きにくくなる>➡<血中のストレスホルモン(アドレナリンやノルアドレナリンなど)の量が減少する>➡<リラックス度が高まる>という流れです。
さらに、計算課題の正解率も向上することも報告されています。
「咀嚼」が、心の落ち着き・リラックスや、集中力が高まることにも関係しているのですね。